田舎の家の処分したい場合どうする?売却が難しい場合の解決方法を解説

田舎の家の処分したい場合どうする?売却が難しい場合の解決方法を解説

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田舎の家を処分しようとしたとき、なかなか買い手が見つからずに処分方法に苦慮した方、されている方は少なくないでしょう。

田舎の家は都会の家に比べて需要が少ないです。それは、周辺環境に大きく左右されているからです。たとえば、会社に通勤するまでに片道3時間かけたいと思う方は少ないでしょう。「会社の近くに住みたい」と考えれば、交通機関があって通いやすい場所、通勤時間・費用を安く抑えられる場所と考えるため、必然的に都会寄りになってしまいます。

では、どうすれば田舎の家を売却できるのか?売却できなかったときはどう処分すれば良いのか?については、抑えておきたいポイントです。

そこで今回は、「田舎の家をとにかく処分したい!」と考えている方に向けて、田舎の家を処分する方法やポイント等についてお伝えします。万が一、処分(第三者への譲渡)ができなかったときの対処法もお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

田舎の家を処分するのが難しいと言われる3つの理由

田舎の家は都会の家に比べて処分は困難です。その主な理由は下記の3つ。

  • 需要が少ない
  • 資産価値が少ない
  • 出口戦略が難しい

まずは、田舎の家を処分するのが難しいと言われる理由について、詳しくお伝えします。これから田舎の家を処分しようと考えている方は、参考にしてください。

理由1:需要が少ない

都会の家と比較すると、田舎の家に対する需要はとても少ないため、処分は難しいでしょう。そもそも田舎とは何か?を考えれば、需要が少ない理由がわかるはずです。まずは、田舎の定義について簡単にお伝えします。

田舎とは?
田舎に明確な定義はありません。もちろん、法律的にも田舎の定義に関する記載はないため、「高層ビルがあったら都会」「人口が何人以内なら田舎」などと定義づけることができません。ですが、一般的には「都会から離れたところ」「人や家がまだらな場所」のことを田舎と言います。では、都会とは何か?じつは、都会にも明確な定義が存在しません。よって、「そもそも田舎の家とは何か?」と聞かれても正解が存在しません。今回お伝えする田舎の家は、一般的な認識のもとで、「人や家がまだらな地域」のことを指してお伝えしようと思います。

田舎とは、一般的に人や家がまだらな地域のことを指すとのことでした。田舎地域の衰退が進んでしまえば、過疎地域に認定されてしまう恐れもあります。

仮に、過疎地域に指定されている田舎の家を処分しようとすれば、需要は非常に少ないのは当然です。なぜなら、生産機能や生活環境の整備等が他の地域に比較してとても低いからです。

中には田舎の雰囲気を好んで住みに行く方もいますが、生産機能や生活環境が著しく低い地域に行きたいと思うのは、ごく少数でしょう。とくに、住宅の購入を検討し始める30代40代の方なら、子育てもあるため過疎地域に移住する可能性は極めて低いです。

そもそも需要がない不動産をいかなる方法であろうと、処分するのは容易ではありません。仮にその家を購入してもらえなかったとしても、農地や土地としての売却を目指したい。と思っても、そもそも需要がなければ処分は難しいでしょう。

ただ、田舎の家が絶対に処分できないのか?と言えばそうとも言い切れません。先ほどもお伝えしたように、田舎に対する需要や関心は高まりつつあります。都会に比べれば需要が少ないですが、過疎地域ではない限り諦めるのはまだ早いでしょう。

理由2:資産価値少ない

家を資産として所有される方も少なくはありません。しかし、田舎の家はそもそも需要が少ないため、資産価値が著しく低くなってしまいます。

たとえば、北海道で見ると札幌市の平均土地価格は約55万円/坪です。一方、北海道でも一番人口が少ない、音威子府(おといねっぷ)村の平均土地価格は5,000円/坪です。

地域 土地平均価格/坪
札幌 約55万円
音威子府村 約5,000円

参考:札幌市|地価公示概要(札幌市地価動向)

参考:土地代データ|音威子府村

同じ北海道でも資産価値が雲泥の差であることがわかります。仮に、田舎の家を更地にして売却しようとしても、売却価格<解体費用になってしまうため、田舎の家を資産として見ることができません。

解体費用は地域や構造によっても大きく異なりますが、木造住宅の解体工事でも30,000円/坪〜が相場です。仮に、音威子府村のような田舎にある家を処分しようとすれば、土地価格の6倍以上の解体費用が発生します。

もちろん、建物そのものに価値があるなら資産として見られますが、木造住宅の資産価値は築20年を境に0になってしまいます。

木造住宅の資産価値
出典:国土交通省|中古住宅流通、リフォーム市場の現状(中古戸建住宅の価格査定の例)

需要がなく、資産価値も見出すのが難しい田舎の家は、そう簡単に処分できるものではないでしょう。

理由3:出口戦略が難しい

あなたが田舎の家を処分するときは、かならず誰かがその家(更地にして処分したときは土地)を引き継ぐことになります。家は物理的に処分できても、土地は物理的に処分することができないため、田舎の家を引き継ぐ方は出口戦略まで考慮しなければいけません。

その田舎の家にいつまでも需要があり続けるなら、出口戦略を考慮する必要はまったくありません。しかし実際は、田舎の家に対する需要が少ないため、売りたくても売れない、寄付や贈与をしたくても、受け取り手がいない。という状況になり得るのです。

万が一、田舎の家を処分できなければ、自分が死ぬまで一生付き合っていくしかありません。「管理が面倒くさいから」と言って、放置をしていると行政指導を受けてしまうこともあります。

このように、出口戦略的な部分を考えると、「田舎の家はなかなか手を出しにくい」というのが本音です。今が良くても、最後まで面倒を見られるのか?と言えば、なかなか難しいのが現実でしょう。

相続放棄すれば国庫に帰属する
田舎の家は物理的に処分できても、土地だけは絶対に残り続けます。自分自身が、田舎の土地の処分に困ってしまったら、一生付き合うしかありません。そのうえで、自分の死後相続人全員で相続放棄をすれば国庫に帰属します。自分や自分の家族から、その土地を手放したいなら、確実に第三者に譲渡するか相続放棄をするしかないと思っておいてください。「不動産」を取得することは、不動(動かない)の財産を入手することです。出口戦略を考えれば田舎の家は手が出しにくいでしょう。

田舎の家を処分する方法はある?売却は可能?

田舎の家を確実に処分するためには、下記の方法を検討してください。

  • その物件・土地に需要があるなら売却を目指す
  • 賃貸物件として売却・貸付を検討
  • 寄付や贈与を検討
  • 建物以外の用途を検討
  • 空き家バンクに登録して購入希望者をひたすら待つ

田舎の家を処分するために、まずは上記の方法を検討してください。ただ、田舎の程度によっては、上記の方法での処分が難しいことも考えられます。かならずしも万能な方法ではないので、その点だけ注意してください。

その物件・土地に需要があるなら売却は可能

「田舎=売却(処分)不可能」ではありません。田舎の家でも、その家や土地に需要があるなら、当然売却は可能でしょう。とくに現在は、田舎暮らしに関する関心度が高まり、田舎と都会の二拠点生活(デュアルライフ)を楽しむ世帯も増えています。

都市部から過疎地域への人流
出典:総務省|調査結果の概要(移住者数の推移)

上記画像は、総務省がまとめた都市部から過疎地域への移住者数推移です。ご覧のように、都市部から過疎地域に流れている人が少なからずいるのは事実です。

また、2020年以降に世界中で流行した新型コロナウイルス感染症の影響により、地方への移住者数が増加傾向にあります。その理由として、リモートワークやワーケーションという、新しい働き方ができるようになったからです。

「わざわざ、物価の高い都市部で生活しなくても、田舎に家を持ってそこで仕事すれば良い」という考え方も生まれました。このことからも、デュアルライフを後押ししている印象です。よって、今後はさらに田舎の家を売却できる可能性は高くなっていくでしょう。

また、田舎の家そのものが老朽化しているなら、解体して処分しても良いでしょう。土地で購入を希望される方も少なくはありません。状況を見極めたうえで、各ニーズに合わせた方法での処分を目指しましょう。

賃貸物件として売却・貸し出しを検討

一般住宅や土地としての売却が難しいなら、賃貸物件として売却したり、所有者は自分のままで賃貸物件として貸し出したりするのも有効です。結果的に第三者の譲渡できなければ、処分できたことにはなりませんが、貸し出しと同時に売却の道も探ってみれば良いでしょう。

また、不動産投資をされている方は、田舎の物件を好んで購入する傾向にあります。なぜなら、田舎の家は利回りが良いからです。物件の価格は安いのに家賃収入はしっかり得られるため、空室対策さえしていれば都心部よりも儲かります。

たとえば、まったく同じ家だったとしても田舎と都心部では購入価格に雲泥の差が発生します。先ほどお伝えした、北海道の例で利回りを見て見ましょう。

地域 土地平均価格/坪
札幌 約55万円
音威子府村 約5,000円

仮に、建物の価格が同じ500万円だったとして、土地が50坪だったとしましょう。

札幌市の場合

55万円×50坪+500万円=3,250万円

音威子府村の場合

5,500円×50坪+500万円=528万円(四捨五入)

地域 戸建て住宅の平均家賃
札幌市 約10万円
音威子府村 約5万円(賃貸物件がないため、札幌市の半分に設定)

参考:LIFULLホームズ|札幌市の家賃相場情報

【不動産実質利回りを計算】

上記の仕入れ価格および平均家賃から、実質的な利回りを計算します。なお、各種税金等の支出はどちらも同20万円で計算。

札幌市の場合

{(120万円(年間家賃収入)−20万円)÷3,250万円}×100=約3%

音威子府村の場合

{(60万円(年間家賃収入)−20万円)÷528万円}×100=約7.57%

上記のように、賃貸物件として貸し出した場合は、田舎の家の実質利回りは高いです。そのため、不動産投資家の間でも田舎の家に人気があります。とは言っても、過疎地域で空室リスクが高いときは不動産投資家もなかなか手を出せないのが現実でしょう。

仮に、賃貸物件としての売却(処分)が難しくても、自分で賃貸物件として貸し出せば収入を得られるのでおすすめです。自分が住まない田舎の家なら、誰かに利用してもらったほう良いでしょう。

不動産会社に買取の依頼をしてみる

田舎の家の売却が難しいなら、不動産会社に買取を依頼するのも有効です。買取とは、その名の通り不動産会社が田舎の家を買い取ることを言います。

通常の不動産売却は、売り主であるあなたと不動産会社が一緒になって買い主を探し、物件の売却を目指します。よって、不動産の立ち位置はあくまでも仲介でした。しかし買取制度では、不動産会社が買い主になるようなイメージです。

たとえば、不用品をリサイクルショップに持っていって、売却する仕組みが不動産の買取制度。

一方で、仲介はフリマアプリのようなもの。フリマアプリが売主であるあなたと買い主の間を取り持って仲介しているだけです。売買契約が成立すれば、仲介手数料を受け取って儲けを出す。これが、通常の売却方法です。

買取は、通常の売却価格よりも20%程度安い価格で取引されます。そのため、できるだけ高値で売却したい方にはおすすめできません。

しかし、確実に田舎の家を処分したい、第三者に譲渡したい。と考えている方には、買取制度がとてもおすすめです。売却価格よりもとにかく手放すこと(処分)を検討している方は、買取も視野に入れてみてはどうでしょうか。

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2021年7月30日

更地にして建物以外の利用を検討

田舎の家の売却や買取がどうしても難しいなら、用途を変更して売却を検討したり実際に自分で土地活用したりされてみてはどうでしょうか。たとえば、建物を取り壊して更地にし、駐車場やその他商業用地や農地・畑として貸し出すことも有効な手段になり得るでしょう。

ただ、その地域によって用途が定められているケースがあります。原則として、用途変更はできないため、その土地の活用方法はある程度限定されてしまいますが、可能な範囲内でできる限りの用途変更を検討してみる価値はあります。

少なくとも、現状での売却が困難なら用途を工夫して売却をしたり贈与・寄付を検討したりするほかないでしょう。状況等を考慮したうえで、土地をどう活用すれば良いか検討してください。

空き家バンクに登録して買い主を待つ

買い手が見つかるのをただただ待っているだけなら、最低限空き家バンクに登録されることをおすすめします。空き家バンクとは、空き家の賃貸や売却を検討している所有者から集めた情報を掲載し、実際に購入希望者を募集する制度です。

全国版の空き家バンクは大手不動産会社2社で行われています。田舎の家の売却を目指す方は、空き家バンクへの登録を検討されてみてはどうでしょうか。

空き家バンクの相談先

株式会社LIFULL

アットホーム株式会社

なお、空き家バンクは上記の不動産会社のみならず、各都道府県単位の宅地建物取引協会でも情報の受け入れや発信を行っています。中には、各自治体で行っている地域もあるので、不動産会社のみに縛られず、さまざまな方法を模索されてみると確実な売却につながるでしょう。

寄付・贈与を検討してみる

田舎の家の処分(売却)や買取がどうしても難しいなら、最終手段として寄付や贈与を検討してみると良いでしょう。とにかく、不動産は所有しているだけでも多額のランニングコスト(維持費)が発生します。

確実に田舎の家を処分するためには、第三者に譲渡しなければいけません。「不動産=資産」と思われている方からすれば、「無料で譲渡するのはちょっと…」と思うかもしれませんが、タイミングを逃してしまうと寄付や贈与も困難になります。

寄付や譲渡先はあなたの知っている友人知人等でも大丈夫ですし、各自治体で受け入れてくれることもあるので、まずは相談してください。ただ、各自治体に受け入れを相談する際には、その物件に需要がなければ受け入れはしてもらえません。

一方的に「田舎の家を処分したいから自治体に寄付します!」と言っても、自治体側が用途を見出せなければ「必要ないです」とお断りされてしまうケースも珍しくはありません。

また、仮に寄付や譲渡が成立したとしても、所有権移転登記等に発生する費用は原則、元の所有者負担です。寄付や譲渡をするのもタダではない。むしろ、処分に費用が発生する。と思っておかなければトラブルの原因になり得るでしょう。

個人間の不動産贈与は贈与税・不動産取得税の課税対象
個人から個人に対して田舎の家を贈与した場合は、その家の価値に応じて贈与税・不動産取得税が発生します。通常は、贈与を受けた側が支払う税金ですが、トラブル防止のためにあらかじめ相談しておいたほうが良いでしょう。なお、無償譲渡であっても贈与税や不動産取得税が発生するケースが大半なので注意してください。

田舎の家を処分(売却)するためのポイント・注意点

田舎の家は都会の家に比べて、非常に売却が困難です。少しでも処分できる確率を上げるために、下記のことを抑えておいてください。

  • 信頼・納得できる不動産会社に相談して契約すること
  • リフォームやリノベーションには要注意

次に、田舎の家を処分する際のポイントや注意点についてお伝えします。

信頼・納得できる不動産会社を選ぶ

田舎の家を売却する際には、かならず信頼できる不動産会社に相談してください。そもそも田舎の不動産屋だと、比較検討できるほどないケースも考えられますが、大手不動産会社の範囲内である可能性もあります。

「ここには1社しか無いからここに相談しよう」等と思っていると、田舎の家を処分するまでの期間が長引いてしまう恐れもあります。確実に処分を目指すなら、地元の不動産会社はもちろん大手にも相談されたほうが良いでしょう。

また、田舎の家を売却によって処分する際には、不動産会社と締結する契約方法に注意してください。通常、不動産会社に不動産売却の仲介をしてもらう際には、媒介契約を締結しますが、この媒介契約にはいくつかの種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

媒介契約の種類
出典:宅建協会|媒介制度

どの媒介契約で契約するかによって、不動産会社の本気度や売り主の自由度が変わります。とくに注意すべきは、「自ら発見した相手と取引できるか?」という部分です。田舎に長く住んでいる方なら、あとから「知り合いに家を欲しい人がいた」というケースも考えられます。

このとき、専属専任媒介契約以外なら取引できますが、専属専任だと取引ができません。よって、正規のルート(不動産会社を通して)で購入してもらうしかありません。そう言った部分までしっかり把握し、どのように契約を締結するか検討してください。

不動産屋が1社も無い場合は役所に相談

不動産会社が一切ない田舎の家を処分したいときは、役所に相談してみるのもひとつの手段です。役所では人々の出入り等も管理されているため、管轄の不動産会社を知っていたり紹介してもらえたりする可能性があります。

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2021年7月30日

リフォームリ・ノベーションは要注意

安易に「リフォームやリノベーションをすれば、田舎の家でも処分できるのではないか?」と考えてしまうのは避けたいところです。実際、需要に見合ったリフォーム等を行うことで、買い手が見つかりやすいのは事実です。

しかし、田舎にある家の場合はそもそもその家、その地域に住みたいと思う方が少ないです。都会とは異なるため、戦略的なリフォームリ・ノベーションを行っても、無駄になってしまう恐れがあるでしょう。

あくまでもその立地に対する需要を考慮したうえで、リフォーム・リノベーションを検討しなければ、無駄金を支払ってしまう結果になるので注意してください。

田舎の家が処分できなくても放置するのは絶対にNG

田舎の家をどのような手段でも処分できなければ、つい、放置してしまいがちです。管理も大変ですし、自分が住まない家なら空き家バンクに登録して買い手が見つかるまで放置。なんてことを考えている方は、少なくないはずです。

しかし、田舎の家が処分できなくても放置だけは絶対にやめてください。管理が不十分だと、特定空き家に指定されて、所有者が多くのデメリットを受けることになります。また、その地域の景観や安全性を著しく損なうため、絶対に放置は避けなければいけません。

最後に、田舎の家をどうしても処分できなかったときはどうすれば良いのか、家が特定空き家にしてされるとどうなるのか?についてお伝えします。

管理が不十分だと「特定空き家」に指定される

特定空き家とは「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいて、下記のような物件が指定されます。

(定義)

第二条 この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

2 この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

引用元:e-GOV|空家等対策の推進に関する特別措置法(第2条)

つまり、倒壊等の恐れがあり保全上危険である場合や、景観を損なっている場合、その他空き家であることが不適切な状態に空き家は特定空き家に指定されます。

特定空き家に指定されるまでのプロセス


出典:空家・空地管理センター

特定空き家に指定されてしまうと、固定資産税の優遇措置が受けられなくなってしまいます。よって、毎年支払っている固定資産税が。最大で6倍になると思っておいてください。

また、万が一その空き家が原因で第三者にケガなどをさせてしまった際には、損害賠償請求にもなり得ます。絶対に空き家の放置だけは避けてください。

売却や寄付・譲渡が難しいなら一生付き合うしかない

万が一、田舎の家の売却や寄付・贈与が難しいとなれば、処分ができません。家そのものは家屋解体等で物理的に処分できますが、土地を物理的に処分することができないため、一生付き合っていくしかないでしょう。

当然、空き家・空き地として放置しておくのも絶対にダメです。唯一できることがあるとすれば、改めてその土地や家の活用方法を検討するしかありません。それと同時に空き家バンクに登録して買い手を待ち続ける方法しかないでしょう。

自分だけが「今すぐに田舎の家を処分したい」と思っていても、第三者がその家を欲しいと思わなければ成立しません。不動産を購入するということは、一生付き合っていく覚悟があるということです。

購入し、自分が所有者になっている以上は自分自身で責任を持ち、管理徹底を行っていくしかないでしょう。

相続で得た財産なら相続放棄で処分可能

唯一、その家を求める第三者がいなくても、田舎の家を処分する方法は「相続放棄」のみです。処分を検討している家が、仮に相続で得た財産ならば相続を知ったときから3か月以内に相続放棄をしてください。

相続放棄をすることで、その所有権を放棄できるため田舎の家は国庫に帰属し、処分できたことになります。ただ、相続放棄は特定の財産のみを指定できません。よって、「田舎の家を処分する=すべての相続財産を放棄する」ことになります。

なお、相続人が複数人いるときは、すべての相続人が相続放棄をしなければ田舎の家は国庫に帰属しません。

下記に該当する方は相続放棄ができないので、後世に迷惑をかけないよう前もって準備されておくことをおすすめします。

  • 自分で購入した家を所有されている方
  • 相続を知ったときから3か月以上経過してしまっている方
  • ※単純承認した方

※単純承認とは相続方法の一種です。相続放棄や限定承認をせずに3か月以上経過した方の他、相続財産に手をつけた時点で単純承認したものとみなされます。たとえば、故人の葬式費用を捻出するために、個人の資産に手をつけた場合は単純承認したものとみなされるため、田舎の家を相続放棄できません。

田舎の家を相続した時は相続税が発生
ほぼ無価値である田舎の家を相続してしまった場合、相続税の課税対象になります。田舎の家の処分方法に苦慮するだけではなく税金も支払わなければいけないため相続方法には注意してください。なお、田舎の家を相続した際にはかならず相続登記の手続きも必要になります。相続登記をしなくても罰則等はありませんが、トラブル防止のためには遅滞なく手続きを行っておきましょう。
生命保険金で資産は残せる
田舎の家を後世まで残したくなければ、相続放棄を選択してもらうほかありません。ただ、相続放棄をするとすべての財産が国庫へ帰属してしまうため、遺族の今後の生活にも影響が出てしまいます。

そこで、資産を残しておきたいなら、生命保険に加入されておくことをおすすめします。生命保険は、受取人の「権利」であるため、被相続人の財産にはなりません。よって、ある程度の資産を残したまま田舎の家を処分(国庫帰属)できるでしょう。

まとめ

今回は、田舎の家を処分する方法やポイント等についてお伝えしました。

田舎の家は都会に比べて需要が少なく、購入希望者が少ないため売却での処分は比較的難しいです。しかし、現在は多様化する働き方や生活環境から、田舎に対する関心が高まりつつあるとのことでした。

結論、田舎の家を処分する方法はいくつも用意されていて、一昔前よりは売却もしやすくなっている。ただ、過疎地域等著しく需要が少ない地域は、第三者に譲渡する意味での処分ができず、空き家・空き地になりがちとのことでした。

万が一、田舎の家を処分できずに空き家・空き地になっても、管理は続けていかなければいけません。まずは、今回お伝えした田舎の家の処分方法を参考に、確実に第三者へ譲渡できるよう尽力してください。

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ABOUTこの記事をかいた人

2018年よりWEBライター活動を開始。FP資格を活用して不動産やお金に関する記事を多く寄稿。不動産売却は一生に一度の経験だからこそ、責任感を持って記事執筆を行います。当サイトでは、読者の悩みをすべて解決する!という思いで、情報を発信。専門用語が羅列される不動産関連だからこそ、できるだけ噛み砕いてわかりやすく、正しい情報をお伝えします。ぜひ参考にしてください。