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「ゴミ屋敷を売却するときは片付けた方が良いの?」「自宅マンションの室内がゴミだらけで壁紙がかなり汚れてしまっている…。売却するにも修繕が大変そうだしどうすれば良いか分からない」など、所有する戸建て住宅・マンションの売却を検討しているものの、物件内にゴミが散乱しているせいで売却方法に頭を悩ませている人は少なくないでしょう。
確かに、同じ不動産条件で綺麗な保存状態の物件に比べると、ゴミ屋敷の状態のままでは低い売却価格になるのは仕方のないこと。何の工夫もしなければかなり値下げされた売価での成約にならざるを得ませんし、場合によっては、そもそも買主が見つからないということにもなりかねません。
そこで、今回は、ゴミ屋敷を少しでも高く売るコツを4点解説します。あわせて、どうしても買主が見つからない場合や、ゴミ屋敷を所有する煩わしさから今すぐ解放されたいときに役立つ”訳あり物件買取業者”についても紹介するので、ゴミ屋敷の売却でお悩みの所有者の方は、ぜひ最後までご一読ください。
目次
- 1 ゴミ屋敷を売却する方法・少しでも高く売るコツは全部で4つ
- 2 ゴミ屋敷はそのまま売却できる!訳あり物件買取業者に依頼すべき5つの理由
- 3 ゴミ屋敷の売却で困ったときは訳あり物件買取業者に相談しよう
ゴミ屋敷を売却する方法・少しでも高く売るコツは全部で4つ
ゴミ屋敷だからといって売却を諦める必要はありません。
次の4つの方法を注意深く実践すれば、処分方法の想像もつかないゴミ屋敷でも売却の可能性が見えてくるはずです。
- 専門業者に物件内の残置物処分を依頼する
- 不動産のリフォーム・修繕を実施する
- 解体して更地として売却する
- 訳あり物件買取業者にそのまま売却する
それでは、ゴミ屋敷の売却方法・高く売るためのポイントについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。
ゴミ屋敷の売却方法1:専門業者に物件内の残置物処分を依頼する
1つ目のゴミ屋敷の売却方法は、物件内の残置物を処分してから売却するというものです。ゴミ屋敷に散乱するゴミを処分するだけで資産価値がある程度回復するので、一般の不動産物件と同じように市場で買主を探す道を目指せます。
ただし、小さいゴミだけが溜まっているのならまだしも、大型の粗大ごみや使わなくなった古い電化製品なども放置されている場合には、所有者だけで処分しきるには限界があるはず。
そこで、一般廃棄物処理業者・不用品回収業者・遺品整理業者などの専門業者に物件内の残置物処理を依頼すれば物件所有者側の手を煩わせる必要がなくなるため、簡単に原状回復が可能です。
なお、各業者の対応範囲については以下をご参照ください。
- 一般廃棄物処理業者
- 事業系一般廃棄物・家庭系一般廃棄物の処理について許可を得ている業者のこと。たとえば、物件内残置物にペットの糞尿・着古してボロボロになった着衣などが多数残置されている場合には、一般廃棄物処理業者でなければ対応できない。
- 不用品回収業者
- 一般廃棄物収集運搬業許可に抵触しない範囲でしかゴミの回収ができない業者のこと。ただ、一般廃棄物処理業者と提携しながら事業を展開している会社もあるので、対応範囲について直接問い合わせるのが望ましい。
- 遺品整理業者
- 物件内の遺品整理を専門とする業者。なかには特殊清掃業も兼務しているケースもあるため、業者によっては幅広くゴミ処分も対応してくれる可能性もある。

注意を要するのが、不動産物件内に溜まっているゴミの残量・内容物によってどの業者に依頼するのが適切かはかわってくるということ。たとえば、亡くなった親名義のマンション内に故人が使用していた物品が片付けられていないだけの状態なら、遺品整理業者・不用品回収業者でもある程度引き受けてくれるはずです。これに対して、生ゴミやコンビニ弁当のプラケースが室内ところ狭しと放置されていたり、屋外にまでゴミ袋が山積しているような状況なら、一般廃棄物処理業者でなければ対応できないでしょう。まずは、各業者に現状見積もりをしてもらったうえで、対応可能かどうかをご確認ください。
ゴミ屋敷の片付けの依頼料を払えないときは訳あり物件買取業者に相談する
ゴミの片付けを専門業者に依頼する場合には、費用がどの程度発生するのかについて事前に確認をしておきましょう。
なぜなら、ゴミ屋敷の売却準備活動でしかない「ゴミの片付け」について高額な費用負担を強いられるとなると、予算の範囲を超えることもあり得るからです。
売却までゴミ屋敷を管理するのにも一定のコスト(固定資産税・光熱費など)が発生しますし、無事に売却が実現したとしても、後述するように譲渡所得税などの負担を強いられます。「できるだけ投下コストは低く抑えたい」と考えるのは当然ですし、一般廃棄物処理業者などへの依頼料を払えないのなら、すみやかに”訳あり物件買取業者”へ依頼するのがおすすめです。

遺品整理業者や不用品回収業者のなかには、価値が認められる財産に値付けをして買い取ってくれる場合があります。買取サービスを利用すれば、依頼料よりも買取額が高くなる可能性もあるので、自宅内にどのような物品が所在しているのかを確認しておきましょう。
ゴミ屋敷の片付けを専門業者に依頼する場合の費用
業者ごとに料金体系が異なりますし、ゴミ屋敷の間取り・ゴミの総量や内訳・ゴミ処分に必要な作業員の数・運搬に必要なトラックの数にも違いがあるために画一的な費用を提示することはできませんが、おおよその費用感は次の通りです。
不動産の間取り | 専門業者のゴミ回収費用 |
---|---|
1R・1K | 5万円~10万円 |
1DK | 7万円~15万円 |
1LDK | 10万円~20万円 |
2DK | 15万円~25万円 |
2LDK | 20万円~30万円 |
3DK | 25万円~40万円 |
3LDK | 30万円~50万円 |
4LDK~ | 40万円~ |
念押ししますが、この費用はあくまでも目安です。庭にまでゴミが散乱している場合にはさらに費用が発生する場合もありますし、逆に、不動産内の一室だけがゴミ屋敷状態になっているのなら、間取りに比べて処理費用は低額に抑えられるでしょう。また、自治体によっては粗大ごみ・大型ゴミの処分に費用が発生するため、さらに費用が加算される可能性もあります。
良識的に回収業を営んでいる事業者であれば、作業前にかならず見積もりを提示してくれるはず。複数社に見積もりを依頼して、明瞭な料金体系・安価な業者を選ぶのがおすすめです。

自分で片付けられるところまで作業をして、どうしても手を付けられない部分についてのみ専門業者に依頼をするという方法もあります。特に、自治体によっては「焼却場に持ち込む場合は無料・割引」「数カ月にいくつまでなら粗大ごみの無料引き取り可」など、拠点収集・戸別収集・車での搬入などの多様な制度を用意している場合があるので、物件が所在している自治体の窓口までお問い合わせください。
ゴミ屋敷の売却方法2:不動産のリフォーム・修繕を実施する
2つ目のゴミ屋敷の売却方法は、ゴミ屋敷の残置物を片付けた後にリフォーム・修繕を施して売却するというものです。ゴミを片付けるだけである程度資産価値は回復しますが、さらに物件自体に手を加えることによって、より不動産市場における希望売価を引き上げることができます。
特に、ゴミ屋敷の場合には、残置物を片付けてから部屋の内部を観察すると、「とても今のままでは内覧などで好印象を得られない」というほどに不動産が汚損されているケースが少なくありません。たとえば、ゴミ屋敷のゴミをすべて廃棄したとしても、壁紙や天井のカビ・室内の悪臭が酷く残ってしまうなどの状況が想定されます。
そこで、ゴミ屋敷をより高値で売却するために有効な手段として考えられるのが、損傷が激しい箇所についてリフォーム・改修工事などを実施するという手段です。
ゴミ屋敷のリフォーム工事代金を払えないときは訳あり物件買取業者に相談する
ただし、今後売却予定のゴミ屋敷にどこまでのリフォーム工事を実施するかは状況と戦略次第。
もちろん、新築同様のレベルまで修繕工事を施せばそれだけ不動産物件の資産価値は上昇しますが、その代償として高額の修繕費用が発生するため、【売却価格 – 修繕費用 (- その他諸経費等)】がマイナスになるおそれがあります。
その一方で、まったくリフォームを実施しないままでは買い手がつかないことが容易に想定される状況では、一般の不動産市場においてゴミ屋敷を売却して現金に換えることさえ難しいでしょう。
したがって、このように「お金をかける余裕がない」「お金をかけないと売却できない」という二律背反に悩まされている方は、すみやかに訳あり物件買取業者にゴミ屋敷の処分方法を相談するのがおすすめです。
ゴミ屋敷のリフォーム・修繕を専門業者に依頼する場合の費用
ゴミ回収業者と同様、会社ごとに料金体系・プランなどに違いがあるので一律にリフォーム・修繕費用を提示するのは難しいですが、おおよその費用感は次の通りです。
ただし、ゴミ屋敷のリフォーム・修繕工事をするためには、事前にゴミの処分を行っておかなければいけないのが通常。つまり、以下で紹介するリフォーム費用とは別に、ゴミ回収費用が別途発生するということです。リフォーム工事会社のなかにはゴミ回収事業も付帯サービスとして提供してくれるところもあるので、適宜お問い合わせください。
修繕・交換部位 | リフォーム工事費用 |
---|---|
キッチン本体の交換 | 80万円~150万円 |
ユニットバスの交換 | 80万円~150万円 |
壁紙の張り替え | 約1,500円/1㎡ |
フローリング(上張り) | 約10,000円/1㎡ |
フローリング(張り替え) | 約15,000円/1㎡ |
洗面台・給湯器交換 | 各20万円~40万円 |
室内ドアの交換 | 3万円~6万円(扉1枚につき) |
消臭リフォーム(脱臭工事) | 約5,000円/1㎡ |

ゴミ屋敷の汚損部分を修繕すると同時に、古くなった設備の見直しをするのも有効な手段。売却を依頼する不動産仲介業者の担当者と相談して、どこまで手を加えれば売却可能レベルにまで到達できるかを検討してください。
ゴミ屋敷の売却方法3:解体して更地として売却する
3つ目のゴミ屋敷の売却方法は、ゴミ屋敷の建物自体を解体して更地として売却するというものです。
たとえば、「ゴミ屋敷を清掃するだけの時間的・労力的余裕がない」「明らかに家屋の損傷が激しくて売りに出すには膨大な修繕費用が発生する」などという事情を抱えている場合、ゴミの片付け・リフォーム工事を実施するという方法は選択できないでしょう。
ただ、ここで思い出して欲しいことは、「土地も不動産である」ということ。つまり、資産価値がゼロに等しいゴミ屋敷を解体してしまえば、“ゴミ屋敷性”とは一切関係のない純然たる資産価値を有する土地だけで売却できるということです(所有しているマンション一室がゴミ屋敷になっている場合には活用できない点にご注意ください)。

いわゆる「古家付き土地」として売却する方法も選択肢として挙げられます。これは、上物には一切価値がないことを前提に、「古い物件が付いている”土地”」として売却を行う方法のこと。売買契約成立後、買主側が取り壊しや大規模修繕などに着工することを前提とされるため、売却価格は比較的安価に設定されるのが通常です。ただ、「ゴミ屋敷とはいえ建物の一部を再活用できる」という点をメリットに捉える買主も少なくないため、不動産の次第では解体してしまう場合よりも買主が見つかりやすい可能性や、再建築不可規制を回避できる可能性もあります。解体してしまうと「古家付き土地」としては売却できなくなるため、かならず解体工事前に不動産仲介業者と相談して検討しましょう。
ゴミ屋敷を解体業者に依頼する場合の費用
ゴミ屋敷を解体して更地にするためには、専門の解体業者に依頼をして作業を進めてもらう必要があります。
以下のように、建物の坪数・敷地面積・構造などによって費用が異なるため、更地として売却した場合の想定売価を超えるか否かが判断のポイントになるでしょう。
構造 | 1坪あたりの解体費用単価 |
---|---|
木造 | 3万円~5万円 |
鉄骨造 | 4万円~6万円 |
鉄筋コンクリート造 | 6万円~8万円 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 6万円~8万円 |
また、ゴミ屋敷が所在している立地条件などで解体作業がしにくくなる場合・整地作業が困難な場合などには別途追加費用が発生するため、適宜解体業者までご確認ください。
ゴミ屋敷を解体するときには付帯工事費用に注意する
ゴミ屋敷を解体して更地として売却するときには、本体工事費用である解体費用だけではなく、付帯工事費用が発生する可能性もあるので注意が必要です。
ゴミ屋敷を解体して更地にするまでの過程で発生し得る付帯工事・費用感については、以下をご参照ください。
付帯工事の種類 | 費用 |
---|---|
浄化槽の撤去 | 5万円~10万円 |
庭木の伐採・伐根 | 1本につき数万円(木の大きさによって異なる) |
庭石の撤去 | 1トンにつき約1万円 |
ブロック塀・門扉・フェンスの撤去 | 数千円~数万円程度 |
井戸・池などの埋め戻し工事 | 3万円~5万円(お祓い費用含む) |
アスベスト撤去 | 2万円~10万円/1㎡ |
解体業者に依頼をする場合、ゴミ屋敷の残置物をすべてまとめて処分してくれる可能性も高いでしょう。
その分費用は高額になりますが、「ひとつの業者にまとめて依頼をしきってしまえる」という大きなメリットを得られるのも事実。「ゴミ屋敷との関わりを今すぐに終わらせたい」と希望する人にはおすすめの方法です。

本体工事・付帯工事の詳しい棲み分けは気にする必要がありません。大切なことは、「建物を解体して売却に値する土地の状態にするためには解体工事以外にも多数の工程が必要になる」ということ。残置物の処分・整地作業等も含めると最終的には費用がかなり膨大になるリスクを孕んでいるため、かならず事前見積もりをしておきましょう。
ゴミ屋敷の売却方法4:訳あり物件買取業者にそのまま売却する
4つ目のゴミ屋敷の売却方法は、ゴミ屋敷をそのまま”訳あり物件買取業者”に売却するというものです。
ここまで説明したように、ゴミ屋敷を少しでも高く売却しようと思ったら、ゴミの処分・リフォーム工事・解体などの作業が不可欠。つまり、売却方法1~3までには、共通して以下の3つのデメリットが存在するということです。
- ゴミ屋敷の資産価値を高めるために一定のコストが発生する
- リフォーム等の工程を経てから売却先を探すことになるためゴミ屋敷を手放すまでに時間を要する
- そもそも第三者から買主を探すため、いつ成約に至るか分からない(売却できないリスクも存在する)
これら3つのデメリットはゴミ屋敷に起因する苦しみを感じている所有者には耐えがたいもののはずでしょう。
ただ、“訳あり物件買取業者”への売却なら、この3つのデメリットをすべて回避できます。なぜなら、訳あり物件買取業者はどのような状況のゴミ屋敷でも現状のまま買主になってくれるからです。
もっとも、訳あり物件買取業者に依頼をする場合には、「少しでも高く売却する」という希望を叶えることができないという点には注意が必要。ゴミ屋敷を買い取った後、訳あり物件買取業者側でリフォーム・解体などの作業を担当することになるため、その費用が目減りするからです(一般的な市場相場の6割~7割程度、そして、解体費用や精神的負担費用などのコストが差し引かれることになります)。
つまり、「ゴミ屋敷でもできるだけ高値で売却したい」という人には、訳あり物件買取業者への売却はおすすめではありません。これに対して、「今すぐゴミ屋敷を所有するストレスから解放されたい」という人にとって訳あり物件買取業者への売却は最適な手段だと考えられます。
ゴミ屋敷はそのまま売却できる!訳あり物件買取業者に依頼すべき5つの理由
ここまで紹介したように、ゴミ屋敷の売却方法には全部て4種類の方法が考えられます。
ただ、そのなかでもおすすめなのが「訳あり物件買取業者への売却」。特に、ゴミ屋敷所有者に訳あり物件買取業者への売却をおすすめするのは次の5つの理由があるからです。
- 訳あり物件買取業者はゴミ屋敷の買取を断ることがない(不動産仲介業者は拒否事例が多い)
- ゴミ屋敷をめぐるあらゆるコスト負担から解放される
- ゴミ屋敷をそのまま売却できれば今すぐ現金が手に入る
- ゴミ屋敷所有者としての法的責任から解放される
- ゴミ屋敷で困っている事例は多いので恥ずかしがる必要はない
それでは、ゴミ屋敷を訳あり物件買取業者に買取依頼すべき5つの理由について、それぞれ具体的に見ていきましょう。
なお、おすすめの訳あり物件買取業者については以下のリンク先で詳しく紹介しています。複数社からの見積もり査定額を見比べる際に役立つので、ぜひご利用ください。
訳あり物件買取業者はゴミ屋敷そのままの状態でも対応してくれる
訳あり物件買取業者なら、かならずゴミ屋敷を買い取ってくれます。そのままの状態で引き渡せるので、居住者・所有者側が手を煩わせる必要はありません。
そもそも、「不動産を売却する」と考えたとき、多くの人は「不動産業者に仲介依頼をして購入希望者を募る」という方法を思いつくはず。
しかし、以下の理由から、ゴミ屋敷を不動産仲介業者に依頼するのはおすすめできません。
- 不動産仲介業者はゴミ屋敷だと契約してくれないおそれがある
- 不動産仲介業者と契約できても営業活動に力を入れてくれないリスクがある
- 不動産仲介業者に依頼をすると成約までの手続きに時間がかかる
- 不動産仲介業者に売却を任せると高額な仲介手数料を差し引かれる
不動産買取業者に依頼をすれば、これらのデメリットをすべて回避できます。
確かに、買取業者に依頼した場合の売却価格は低くなるのが一般的ですが、仲介業者への依頼によって発生するこれらのデメリットを考慮したとき、ゴミ屋敷売却の場合には訳あり物件買取業者への依頼に軍配が上がると考えるべきでしょう。
不動産仲介業者はゴミ屋敷だと契約してくれないおそれがある
確かに、何の問題も抱えていない土地・建物・マンションであれば、不動産仲介業者に依頼をして営業活動を任せるのが一般的な方法でしょう。実際、不動産仲介業者が想定している取扱い物件も、原則として「何の問題もない不動産」です。
つまり、ゴミ屋敷のように問題を抱えている物件は、一般の不動産仲介業者は嫌がるものだということ。もちろん、リフォームの相談などにも応じてくれる場合がありますが、多くのケースで「そもそも仲介契約を締結さえしてもらえない」ということも覚悟しておかなければいけません。
不動産仲介業者はゴミ屋敷の営業活動に力を入れてくれないリスクがある
仮に、ゴミ屋敷の売却について不動産仲介業者に依頼をできたとしても、特別なノウハウ・顧客層を抱えていない業者だと、営業活動に力を入れてくれないというリスクが生じます。
そもそも、不動産の仲介(媒介)契約には次の3つの類型が存在しますが、どの方式で媒介契約を締結したとしても、買い手が見つかるかどうかは不動産業者が営業活動にどれだけ注力してくれるか次第です。
媒介契約の種類 | 締結できる不動産会社数 | 直接契約の可否 |
---|---|---|
専属専任媒介契約 | 1社のみ | ✕ |
専属媒介契約 | 1社のみ | 〇 |
一般媒介契約 | 複数社可能 | 〇 |
厄介なのが、ゴミ屋敷の場合にはそもそも不動産仲介業者が契約をしてくれないという事情があるということです。
たとえば、唯一見つかった不動産業者との間で”専属専任媒介契約”を締結してしまった場合、当該不動産会社以外には一切営業活動を依頼できないことに。しかも、この業者が営業活動を一切行わず、物件情報をHPなどに掲載するだけで終わってしまうのなら、不動産市場において購買層から見向きもされないという状況におちいってしまうでしょう。
不動産仲介業者は、ゴミ屋敷などの課題を抱えている物件以外にも、”売りやすい”不動産を多数抱えています。これらの状況を踏まえると、ゴミ屋敷という問題のある不動産の売却活動に力を注ぐように求めるのは難しいでしょう。
なお、不動産の媒介契約の種別・特徴については以下のリンク先でも詳しく解説しています。ゴミ屋敷の売却を不動産仲介業者に依頼する際にお役立てください。
不動産仲介業者に依頼をすると成約までの手続きに時間がかかる
ゴミ屋敷売却を不動産仲介業者に依頼すべきではない理由として、成約までの手続きに時間がかかるという点が挙げられます。
不動産仲介業者に依頼した場合の流れは次の通りです。
- ①不動産仲介業者に相見積もりを依頼
- 複数の不動産業者に依頼をすることで細かい条件・査定金額などを比較できる。不動産一括査定サイトなどを活用すればスムーズ。
- ②ゴミ屋敷の処分方法について相談する
- (ほぼ不可能だが)そのまま売却できるのか・リフォームすべきなのか(その範囲も)・解体して更地で売却するのかなどについて、不動産仲介業者の視点から検討を加えてもらう。場合によっては、グループ会社・提携会社などを紹介してもらって解体等の手続きを進める。
- ③不動産仲介業者が営業活動を開始する
- ネット・新聞の折り込みチラシや電話・訪問などのあらゆる手段で営業活動を実施してもらう。
- ④購入希望者との交渉
- 不動産仲介業者が見つけてきた購入希望者と具体的な交渉を進める。この際に、ゴミ屋敷であった旨を伝えなければ契約適合責任(瑕疵担保責任)が発生するリスクがあるので注意が必要。
- ⑤内覧など
- 購入希望者が実際に物件の現地状況を確認する。所有者側で対応しなければいけないが、営業担当者が同行してくれる場合もある。物件の細かいところまで見られるので、少しでも高く売りたいのなら事前にハウスクリーニングなどを実施しておくのがポイント。
- ⑥売買契約の成立・引き渡しなど
- 購入希望者との間で売買契約を締結する。引き渡し日・支払い方法・支払い条件などについて詳細に取り決めたうえで契約書を作成。抵当権の移転登記などの手続きも必要。このあたりの手続きは不動産業者に任せておけば問題ない。
ここから分かるように、ゴミ屋敷売却を不動産仲介業者に依頼した場合には、「そもそも購入希望者が現れるか」次第で成約までの期間が大きく異なることになります。すぐに見つかった場合でも数カ月、なかなか見つからない場合には年単位で売却活動に時間を取られるリスクを避けられません。
また、内覧対応だけではなく、契約条件の交渉などにもその都度手間がかかることに。不動産という大きな財産の売買契約である以上当然のことではありますが、不動産仲介業者に依頼をする以上、これらの労力を節約するのは不可能に近いです。
訳あり物件買取業者なら、ゴミ屋敷をそのままの状態で直接不動産業者に売却できます。不動産業者が直接契約当事者として買い取ってくれるので、仲介業者に依頼するような時間・労力もかかりません。即時買取なら最短で数日以内に売却できるので、余計な時間を使わずに済むでしょう。

不動産業者のなかには、「買取保証」サービスを提供している場合があります。これは、「一定期間以内に買主が見つからなかった場合には不動産業者側で買取をする」という付帯サービスのこと。売却活動期間に区切りを設定したいという所有者側のニーズを充たすものです。一般的に3カ月程度が目安期間に設定されることが多いですが、各社内容が異なるため、直接お問い合わせください。
不動産仲介業者に売却を任せると高額な仲介手数料を差し引かれる
不動産仲介業者に売却を依頼すると、仲介手数料(媒介報酬)が差し引かれます。不動産仲介業者に依頼する最大のデメリットと考えられるでしょう。
仲介手数料とは、成約について不動産仲介業者が手にする成功報酬のこと。仲介手数料額については法律で上限額が定められており、以下のようなルールに則って仲介手数料が算出されます。
- 200万円以下の部分:取引物件価格(税抜)× 5% + 消費税
- 200万円~400万円以下の部分:取引物件価格(税抜)× 4% + 消費税
- 400万円~の部分:取引物件価格(税抜)× 3% + 消費税
つまり、ゴミ屋敷にリフォーム工事などを実施して比較的高値で成約できたとしても、不動産仲介業者に依頼する限り、施工費に加えて仲介手数料まで差し引かれるということ。これに対して、訳あり物件買取業者に依頼をした場合には成約価格は低めに設定されることになりますが、仲介手数料がとられることはありません。
「最終的に所有者の手元にいくら残るのか」という観点も含めて、ゴミ屋敷の処分方法を検討しましょう。
ゴミ屋敷をそのまま売却すればあらゆるコスト負担から解放される
ゴミ屋敷を現状のまま買取業者に引き渡すことができれば、あらゆるコスト負担から解放されるというメリットが得られます。
たとえば、代表的なポイントだけでも以下のものが挙げられるので、ぜひ参考にしてください。
- 内覧前のハウスクリーニング・内覧対応不要
- 不動産仲介業者に依頼するとなると、内覧時に応接するためにできるだけ物件の状況を綺麗に仕上げる必要がある。訳あり物件買取業者は現状のままで引渡し可能なので、一切手間がかからない。
- ゴミ屋敷の維持費・管理コスト負担を回避
- ゴミ屋敷とはいっても不動産。固定資産税・光熱費(水道代・ガス代・電気代)の基本料金・管理費・火災保険・地震保険・町内会費などのように、管理コストが発生するもの。訳あり物件買取業者に売却をした時点でこれらの負担から解放されるので、毎月・毎年発生する金銭負担がなくなる。
- 仲介業者・購入希望者との交渉不要
- 媒介契約でゴミ屋敷を売却するとなると、必然的に業者・購入希望者と何度も交渉・打ち合わせをする必要がある。成約に至らなければ無駄骨に終わるだけ。訳あり物件買取業者なら最低限のやり取り・査定だけで手続きが終了する。
特に注意を要するのが、固定資産税の関係。なぜなら、ゴミ屋敷の状態が悪化して“特定空き家”(空家等対策の推進に関する特別措置法)に指定されると固定資産税の減額措置を受けられなくなるからです。
固定資産税については、空き家でも建物が建っている敷地部分(200㎡以内)は1/6に減額、200㎡を超える敷地部分でも1/3に減額されるのが通常。しかし、汚物・ゴミが原因で衛生上有害なおそれがあったり、景観が損なわれている状態・周辺環境への悪影響があったりするケースに対しては、特定空き家指定というペナルティが課されて、減額なしの固定資産税の納付義務が課されてしまいます。
つまり、ゴミ屋敷はいつ特定空き家に指定されるかが分からない状態だということ。仲介業者に売却相談をしている状況でも、特定空き家に指定されるおそれがあるということです。
したがって、ゴミ屋敷所有者にとっては、固定資産税の負担増大リスクを回避するという観点からも、訳あり物件買取業者への即時売却が有効な手段だと考えられます。
参照:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン) – 国土交通省HP
維持費・管理コストの発生するゴミ屋敷をそのまま売却すればすぐに現金が手に入る
訳あり物件買取業者にゴミ屋敷をそのまま売却すれば、早いタイミングで現金が手に入ります。
不動産仲介業者に売却依頼をした場合、スムーズに購入希望者が見つかったとしても、お金が手元に入るまでに数カ月以上の月日が必要です。これに対して、訳あり物件買取業者なら即日~1カ月程度で売却価格が手元に入ってきます。
たとえば、ゴミ屋敷を所有している人のなかには、固定資産税・住民税を滞納して困っていたり、住宅ローン残債などについて頭を悩ませている人もいるでしょう。なかには、すでに滞納処分・強制執行の予告通知が手元に届き、所有物件が競売間近だという深刻なケースもあり得るはずです。特に、競売等の法的措置によって不動産が取り上げられると市場価格より相当低い状態での落札になるために損をすることに。これでは、お金の問題自体を抜本的に解決できないおそれも生じます。
訳あり物件買取業者に依頼をしてすぐに現金化できれば、このようなお金をトラブルへの活路が見えてくるはず。訳あり物件買取業者側でも各種支払い問題の相談に乗ってくれるので、まずはお問い合わせください。

ゴミ屋敷を売却する際に忘れてはいけないのが、通常の不動産売却と同じような費用が発生するという点。譲渡所得税・登記費用・印紙税などの費用負担については確定申告の際に重要なポイントになってくるので、専門家までご相談ください。
ゴミ屋敷所有者としての法的責任から今すぐ解放される
ゴミ屋敷を即時に売却できれば、不動産所有者としての法的責任から解放されるというメリットが得られます。
所有者にとって、ゴミ屋敷は一切使い道のないものかも知れません。しかし、不動産という価値ある財産については、所有しているだけで一定の法的責任・義務が発生するため、所有者に過大な負担を強いるリスクがある点に注意が必要です。
たとえば、ゴミ屋敷所有者に生じ得る法的責任としては、以下のものが挙げられます。
- 所有者としての管理責任
- 不動産を所有していることによって管理責任が発生する。仮に、親名義のゴミ屋敷について相続放棄をしたとしても、次の所有者が現れるまでは暫定的に管理責任が発生するため、簡単には逃れられない。
- 民事責任
- たとえば、ゴミ屋敷のゴミが隣家の外壁を汚損した場合には、民事上の損害賠償責任を負う。高額な金銭負担が発生する危険性があるため注意が必要。
- 刑事責任
- たとえば、ゴミ屋敷の屋根が崩れて通行人・隣人が怪我をした場合など、物件の状態がかなり深刻で誰かに危害が及ぶことが容易に想定された場合などには、重過失致傷罪等の刑事責任に問われるおそれがある。他にも、器物損壊罪・失火罪などの刑事罰に抵触するおそれがあるため、管理には注意しなければいけない。
- 行政代執行の可能性
- ゴミ屋敷を放置したままの状態がつづくと、行政代執行によってゴミ屋敷の片付け・解体が実施される可能性がある。この場合には、行政側が支出した費用をそのまま賠償しなければいけないので、自分で業者に依頼をした場合よりも高額の請求をされるおそれがある。ゴミ屋敷の所在する自治体によっては、厳しい”ゴミ屋敷条例”を制定している場合もある(たとえば、「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例」)ので要注意。
- 契約適合責任(瑕疵担保責任)
- ゴミ屋敷を第三者に売却するとなると、契約適合責任が問題となるケースがある。売却前に「ゴミ屋敷であったこと」という心理的瑕疵要因について告知義務を果たさない場合、契約後に物件に問題が生じていることが露見すると、契約解除・損害賠償責任と問われ得る。
訳あり物件買取業者への売却が実現すれば、所有者としての責任は買取業者側に移転します。また、訳あり物件買取業者は「そのままの状態」での引渡しを認めてくれるので、後から契約適合責任(瑕疵担保責任)が問題になることもありません。
法的責任はどこまで過大なものになるか想像がつかないものです。できるだけ早期に売却を決めて、これ以上の経済的な負担を強いられないようにしましょう。
ゴミ屋敷で困っている人は多いのでそのまま売却することを恥ずかしがる必要はない
ゴミ屋敷の売却を検討している人のなかには、「ゴミ屋敷になってしまって恥ずかしい」「自己管理が出来ていない人と思われそうで不動産業者などに相談しにくい」と考えるパターンが少なくありません。
しかし、羞恥心や現実逃避の気持ちからゴミ屋敷の処分を後回しにするほど、経済的な負担・法的責任のリスクは増大するだけ。それに、あなたが想像しているよりもたくさんの人がゴミ屋敷問題で苦しんでいるという実情があるので、「恥ずかしいから相談できない」などと感じる必要はありません。
たとえば、ゴミ屋敷の売却を検討している人のなかには、次のような事情を抱えている人がいます。
- 離婚をきっかけに精神的に疲れてしまってゴミ屋敷になってしまった
- 介護や育児などに時間を割かれてゴミを片付けられなかった
- 自分ではなく親がゴミ屋敷に住んでいる
- 実家のゴミ屋敷を相続することになった
- 相続放棄したいが他にも引き継ぐ財産があるので相続放棄できない
- ゴミのことで近隣住民とトラブルに発展した
このように、ゴミ屋敷を所有するに至った事情は人それぞれ。訳あり物件買取業者はこれらの人たちの悩みに寄り添うノウハウを有しているので、遠慮せずに悩みをご相談ください。
ゴミ屋敷の売却で困ったときは訳あり物件買取業者に相談しよう
ゴミ屋敷を少しでも高く売りたいのなら、ゴミの処分・リフォーム工事・解体工事などの手段を検討してください。ゴミがあふれている現状を少しでも改善できれば、不動産としての資産価値は復活するはずです。
もっとも、不動産の価値を向上させるためには、解体業者やリフォーム業者への依頼が不可欠。一定の費用がかかることを忘れてはいけません。また、購入希望者を探すために不動産仲介業者に依頼するとしても、成約までには数カ月から1年以上の期間がかかることを覚悟する必要があります。
つまり、ゴミ屋敷を所有する人の多くが抱いている「できるだけ高く売りたいけれど、できればゴミ屋敷にまつわる色々な負担・悩みから早期に解放されたい」という願いは不動産仲介業者では叶えられない可能性が高いということです。色々なトラブルの火種から逃れるためには、訳あり物件買取業者に依頼するのが最適でしょう。
訳あり物件買取業者自身が買主となってゴミ屋敷を引き受けてくれるので、所有者側でゴミの片付けなどをする必要はありません。負担なく簡単に物件を引き渡せるので、複数の業者に査定依頼をして条件の良い買取業者を選びましょう。
ゴミ屋敷の処分で悩んでいる人のなかには、死亡した親名義のゴミ屋敷を相続放棄できないなどの事情を抱えているケースもあるでしょう。今回紹介するゴミ屋敷の処分方法は、自分がゴミ屋敷を作ってしまった場合以外にも役立つ内容になっているので参考にしてください。